住宅に使用される木材の品質

 住宅に使用される木材は、天然林資源の減少や、環境保護運動の高まりなどの影響を受け、節などの欠点の少ない高品質の木材を入手することは以前より難しくなってきており、良質材は価格的にも値上がりの傾向にあるのが実状です。


木材に求められる品質 / 「2×4工法」住宅に使用される木材の品質 / 在来工法住宅の場合 / 製材関係のJASの等級区分



1.木材に求められる品質


木造住宅において木材に求められる品質には、大きく分けて、


(1)適度の吸放湿性や、弾力性、断熱性など、   住環境に対する効果、

(2)見た目の美しさなど、その外観、

(3)十分な強度や狂いの無い部材としての性能、 などが挙げられます。


 (1)は、木材の共通の長所と言えます。

 また、(2)の典型は、和室の造作材(化粧柱のように構造用部材を 兼ねるものを含めて)であり、一般的に和室が減少しているとはいえ、 節の無いもの、あるいはごく小さい「役物(やくもの)」 と呼ばれるような製材品の需要にも根強いものがあります。

 例えば、外壁や内装の施工後に隠れてしまう構造材や下地材に、 無節の造作材のような美しさは 求めないくてもよいのですが、 やっとの思いで購入したマイホーム、これから長いローン返済を思 うと、少しでも良い木材を使ってほしいというのも人情です。



2.「2×4工法」住宅に使用される木材の品質


 ところで、2×4(ツーバイフォー)工法という名前はよく 耳にされるのではないでしょうか。

 日本の伝統的工法である在来工法(軸組工法)が、梁(はり)・ 桁(けた)等の横架材と柱・筋かいなどの軸組で強度を持たせている (図−1)のに対し、

2×4工法は、「枠組壁工法」といわれるように、 主として断面が公称2インチ×4インチ(実寸法3. 8cm×8.9cm)の製材を組んで、それに、構造用 合板などの面材を釘等で張り付け、面で強度を持たせ る工法(図−2)です。

したがって枠組となる製材(枠組材)は最後は 壁の中に隠れてしまいます。

 このような枠組材に、実質的に求められるのは(3)の 「強度性能」であり、強度性能が十分であれば壁の中 に隠れてしまう材料に、見た目以上の美しさを求める ことは、お金と、貴重な森林資源のむだ使いであるとも言えます。

 ところが、日本の2×4工法住宅に使用されている 枠組材のほとんどは輸入品で、これを生産・輸出して いる北米の製材工場では、日本のユーザーの希望により 「Jグレード」と呼ばれる日本向けの選別検査を行い、 見た目の良い、価格的にも高価な枠組材を輸出しているのが現状です。


3.在来工法住宅の場合


 見えない所に使われる木材は、在来工法住宅でも言えることで、 和室が減少し、大壁(おおかべ)工法(柱が壁の中に隠れ、外部から見ることが できない工法)が増えている最近の住宅に使用される構造材(柱等)に求めら れるのは、外観より強度性能であり、この性能を重視するのなら、見た目の美 しさよりむしろ、十分に乾燥された、くるいの少ない木材を使用することが 効果的であり、住宅の品質を高め、耐久性向上につながるといえます。

 住宅に使用される製材のJAS規格では、その製品が使用される用途・ 場所などに応じて求められる十分な品質のものを有効に利用していくため、 性能に応じた規格が定められ等級区分もされています。

 強度により、1〜3級の区分がされていて2級、3級でも十分に耐える 強度があるのですが、「2級」、「3級」といった等級が、2級品・3級 品のイメージを与えることから、施主から1級品を望まれることが多く、 これも過剰品質の一因になっているともいえます。

 そういった感覚的な誤解が取り除かれ、必要な品質等級の製品が、 住宅の最終的な消費者である施主の理解のもとに使用されていくことが 、貴重な木材資源の有効利用につながり、住宅の低価格化にも一役か うことになるのではないでしょうか。



4.製材関係のJASの等級区分


 製材関係のJAS規格には製材、構造用製材、 枠組壁工法構造用製材などがありますが、その一例として、 主に在来工法住宅の柱・梁などの大きな過重がかかる部材に 使用される構造用製材について、その等級区分と表示例を示します。









「大きな目小さな目」(全国版)
(農林水産消費技術センター広報誌)
1995 年1月 第19号


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