すまいの種類

 すまいは、生活の要素の一つとしてくらしを快適にし、心やすらぐ場として私たちに深くかかわり、いつの時代にあっても関心が高いものです。すまいは防火性、耐久性、居住性が優れ、かつ経済的にも有利であることが重要です。

 すまいは使われている構造材(骨組み)の材質により木造住宅、鉄筋コンクリート系住宅、鉄骨系住宅の三つに大別されます。どの種類にするかは建てる場所、階層、居住性、経済性などを考えて決めることになります。

今回は住宅の種類について取り上げてみました。


         ┌在来工法──┬真壁工法
   ┌木造住宅─┤      └大壁工法
   │     ├2×4工法
   │     └丸太組工法
住宅─┤
   ├鉄筋コンクリート系住宅
   │
   │      ┌重量鉄骨
   └鉄骨系住宅─┤
          └軽量鉄骨



1.木造住宅


木造住宅は日本の気候風土の条件に適応すべく長期にわたる歴史的経験を経た伝統の住宅で、高温多湿の日本の風土には最も適した住宅といえます。

 一般的には木造であることから「火災」「耐久性」が心配になります。しかし、最近の木造住宅は、内外装材に難燃性の材料を使用し、工法も改良され、 耐火性能は著しく向上しています。

 耐久性(耐用年数)についても鉄骨系、コンクリート系の住宅のほうが有利にみえますが、これらのものも半永久的かといえば必ずしもそうはいえないところが(コンクリートの劣化現象、表面の亀裂あるいは鉄筋の腐食)見受けられます。

 木造住宅であっても 正しい材料選択、手抜かりのない施工、年数に応じたメンテナンス が40年50年の耐用年数を可能にするといえます。

 戸建住宅では、木造住宅が圧倒的に多く、住宅を新築または購入する場合に木造住宅を希望する人は約82%あり、その約72%が在来工法を希望しています(平成5年総理府調査)。

 木造住宅を選んだ理由は「通気・保温性など居住性に優れているから」「昔から住み慣れているから」などの理由が多く、長い生活の積み重ねの中から生まれた木造住宅への 居住性、居住感覚への評価が高いと言えます。



2.在来工法(軸組工法)


 木造住宅の大部分が伝統的な在来工法です。木材を使用した 柱、梁、土台などの軸組(骨組み)による構造的な工法であることから軸組工法ともいわれています。

 使われる木材は一般的にはヒノキ、スギ、マツ類、ベイツガ、ベイマツ、ヒバのほか集成材などがあります。 どのような木材を使うかは、経済性、強度、耐久性などから使用する個所と条件に合う適材を選ぶことが必要です。

〔真壁工法と大壁工法〕

 在来工法は真壁工法と大壁工法に分けられます。

真壁工法は壁の骨組みである 柱が露出している構造で、 和風住宅に取り入れられる工法です。


柱は構造体であるとともに化粧材として美しさの品質も備えることが必要です。

柱の他に敷居 鴨居などの部材も外気にふれ、温度、湿度を調節する木材の機能を十分 に生かすことができ、本格的な木造住宅としての落ちついた気風を味わうことが出来ます。

大壁工法は柱を壁の内外装材料で覆ってしまい、 外面にあらわさない構造で 洋室に見られる工法です。


柱は美しさより強度のある経済的な材料を使用することができます。

壁はデザインに富んだ化粧合板、クロス張りで施工され、大部分の住宅の壁がこの工法で、 若い世代に人気があり、増える傾向にあります。



3.「2×4」(ツーバイフォー)工法(枠組壁工法)


 米国、カナダで一般的に普及している木構造の住宅で、昭和49年から日本でも採用されるようになりました。

 2×4工法は、在来工法のように柱と梁の軸(線)ではなく、 壁と床の面(パネル化)で家屋全体を構成していくもので、主に2インチ×4インチ(呼称寸法)の断面を持つ木材を使用することから一般にこう呼ばれています。

 この工法は、使用する部材の種類が少なく、単純であることなどから標準化され、工場による量産化ができ、経済性、工期の短縮等の面で有利といえます。



4.丸太組工法


 校倉造として有名な正倉院のように円形、矩形三角形の断面に加工した木材を組み 重ねて建てられる工法で、 ログハウス として親しまれてきました。 この工法は、北欧、北米からの輸入が多かったのですが、最近では国内メーカーにより 開発され全体的にはわずかですがアウトドア志向、リゾート開発などにより増加しています。



5.鉄筋コンクリート系住宅


 鉄筋コンクリート造(RC造:Reinforced補強した Concreteコンクリート)は鉄筋を骨組みとして、コンクリートで囲み 柱・梁・壁・床を一体化して作る構造です。

 耐火性・耐久性・耐振性・遮音性に最もすぐれ、高層化が可能で土地の有効利用ができるという 長所 があります。反面、構造自体が重く、基礎にコンクリート杭を打ち込むなど工事が大がかりとなり、 最もコストのかかる工法です。

 また、工期の短いプレハブ構造として、あらかじめコンクリート製の壁・床板・屋根板などを工場で生産し、建築現場でボルト締め、鉄筋でつなぐなどにより組み立てる プレキャスト構造もあります。



6.鉄骨系住宅


 鉄骨構造には 重量鉄骨と軽量鉄骨の2つがあります。一般には2階建て程度の住まいには軽量鉄骨が使われています。

 柱と梁の骨組みを鉄骨で構成し、床・壁に木質系、窯業系(セラミック)のパネルをはめ込んでいく工法です。あらかじめ工場で生産し、運搬、組立が比較的簡単にでき、工期を短縮できることから プレハブ住宅に多く採用されています。

 ただし、耐火性が小さいこと、錆に弱いことなどから 耐火被覆をしたり、 防錆塗料を塗るなどのほか 外壁パネルのつなぎ目の部分の耐水性に充分配慮する必要があります。



7.プレハブ住宅とは?


 プレハブ住宅とは プレハブリケイテッド・ハウス(Pre前もってFabricated 製造したHouse住宅)の略です。以前の住宅は建築現場で大工が切断、切削、継ぎ手などの加工を行い、それを組み立て一棟一棟生産していました。

 プレハブ住宅は あらかじめ工場で柱・梁・土台などの部材を加工、あるいはパネル化しておき、建築現場で組み立てていく住宅です。少しでも工場で量産化する部材を増やしコスト軽減と品質の安定化を図ろうとするものです。

 最近の住宅建築では建築技能者の不足、建材メーカーの商品開発、大手ハウスメーカーの参入などによりプレハブ化が促進され、木造住宅の在来工法にも使われ、鉄骨系、コンクリート系、窯業系などの住宅で 工期の短縮、経済性、品質の一定化の効果により、急速にシェアをのばしています。




「大きな目小さな目」(全国版)
(農林水産消費技術センター広報誌)
1994年3月 第14号


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