集  成  材

 集成材とは、製材された板(ひき板)あるいは小角材などを乾燥し、節や割れなどの欠点の部分を取り除き、繊維方向(長さの方向)を平行にして、長さ、幅及び厚さ方向に接着剤を使って集成接着した家具、建築等の材料をいいます。

 我が国においては、昭和20年代中頃から集成材の優れた品質性能が注目されるようになり、建築用の構造材(柱・梁等)、造作材(内装材等)としての需要が増加してきました。

 これは、スギ、ヒノキ等の優良材が手に入りにくくなったこと、集成材の長所が認められたことに加えて優れた合成樹脂の接着剤が開発されたことによるものです。


集成材の特長 / 集成材の種類 / 住宅部材の用語解説



1.集成材の特長


集成材には天然の木材に比べて次のような長所があります。


・人工乾燥したひき板等から大きな節、割れなどの欠点を取り除き、バランスよく組合わ せることにより、狂い、割れ、ねじれ、曲りなどがおこりにくくなること。また、 普通の木材に比べて強度性能の優れたものをつくることができます。

・表面に、薄い化粧板をはることにより、節等の欠点のない外観的に美しいものをつ くることができます。

・大きな断面のものや、非常に長いもの等長大な製品を、安定した性能で生産するこ とができるので、大型木造建築物(例えば出雲ドーム、等)の建設が可能です。

その他、一般の木材では作ることのむずかしい湾曲材を容易に作ることができます。
また、接着前の工程であらかじめひき板に薬剤処理をしておくことで、どんな長く大 きな材になっても深い場所まで十分に薬剤がゆきわたり、材料に十分な防腐性あるい は防虫性を持たせることができます。



2.集成材の種類


 集成材は、大きくは造作用集成材と構造用集成材の2つに区分することができま す。JAS規格では、造作用集成材、化粧ばり造作用集成材、構造用集成材、化粧 ばり構造用集成材及び構造用大断面集成材に区分しています。

造作用集成材

 ひき板もしくは小角材等を集成し、接着したそのままの集成材で、ひき板のつ み重ねによる美しさを生かして、テーブル、机、階段踏板、カウンター等のほか、 材の表面にみぞを切ったり、型取り加工等をした手摺り等の内部造作用部材や家 具用部材として使われるものです。

化粧ばり造作用集成材

 接着部分の見える集成材の表面に美しさを出す目的として薄い化粧板をはりつけ た集成材で、長押、框や構造上強度を要しない部分に使用する化粧柱等のほか、化 粧した集成材の表面にみぞ切りなどの加工を施した敷居、鴨居など、主として建築 物の内部造作用部材として使われます。

構造用集成材

 構造物に要求される強度性能を満足するようひき板を積み重ね接着した集成材 で、骨組みの主要部分となる柱等、主として木造建築物の力が加わる部分に使われ るものです。

化粧ばり構造用集成材

 構造用集成材の表面に美しさを出す目的として薄い化粧板をはりつけたもので、 強度と美しさの両方を求められる和室の柱等に使われます。

構造用大断面集成材

 構造用の集成材のうち、厚さが 7.5p以上で、かつ、幅が15p以上の断面のものを いいます。体育館、店舗、ドーム等の大型木造建築物の構造部材として柱、梁、桁等 に使われています。



住宅部材の用語解説


なげし〈長押〉

柱を両面から挟んで、横方向に取り付ける見付け化粧材の総称。和室内部の 「かもい」または「付けかもい」の上に取り付ける化粧材を「内法(うちのり) なげし」という。

かもい〈鴨居〉

引違い戸や引戸を建て込むための部材で、溝を掘って建具の上部に取り付ける 横材。内法材の一つ。

しきい〈敷居〉

開口部の一部材で、引違い戸などの建具を受ける横木をいう。

はり〈梁〉

小屋組部材の一つで、小屋束を立て、母屋を支える横架材のこと。妻梁・小屋梁 ・床梁などの種類があり、角材や丸太材が使用される。

けた〈桁〉

柱の上で梁や垂木(たるき)を受ける横架材。一般に外部面の受け梁をいう。

かまち〈框〉

床の端に渡す横木。上がりかまち














「大きな目小さな目」(全国版)
(農林水産消費技術センター広報誌)
1995年3月 第20号


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